EN / JP

フューチャー・デザイン部門

    気候変動や資源エネルギー問題、政府債務問題やインフラの維持管理などの諸課題は、中長期的な対応を要するまさに世代を超えた問題です。これらの複雑な課題は、既存のアプローチや社会システムの下では解決が困難です。例えば、ヒトには近視性や将来に関する楽観性といった特性があり、これらの特性をうまく活用しているのが「市場」「民主制」などの現代の社会システムです。これらの社会システムは、現世代の目の前のニーズを満たすことには有効に機能するものの、将来世代の利益を反映する仕組みではありません。ヒトの特性やこれらの社会システムの下では、世代を超えた複雑な問題に対処することは困難です。
    このような長期的な諸課題に対処し、持続可能な自然と社会を将来世代に引き継いでいくためのさまざまな社会の仕組みをデザインする新たな試みが「フューチャー・デザイン」です。大阪大学における研究会(七世代研究会)における議論を基に生まれたのがフューチャー・デザインであり、「将来世代」の視点を現代に取り込み、持続可能な意思決定を目指す新たな枠組みとして、工学だけでなく、経済学、脳科学(ニューロサイエンス)、生物学、社会学、政治学、哲学、心理学等様々な分野を統合した学際的かつ実践的な研究が進んでいます。 岩手県矢巾町が、2015年度に世界で初めてフューチャー・デザイン手法を応用し、住民参加に基づいた地方創生プランを検討しました。また、大阪府吹田市、京都府、長野県松本市など様々な自治体においても、フューチャー・デザイン手法を活用した将来ビジョンづくりの実践が進んでおり、産業界や他の公的機関、政府機関においても本手法の応用に向けた検討や研究が始まっています。
    大阪大学大学院工学研究科附属オープンイノベーション教育研究センターでは2018年6月にフューチャー・デザイン部門を設置しました。本部門では、他大学や研究機関、自治体や産業界など多様なステークホルダーと連携し、フューチャー・デザイン研究教育を先導しています。



【フューチャー・デザインに関するシンポジウム・ワークショップ等の情報】